一人暮らしの食費を節約するコツ|頑張りすぎないシンプルな方法

一般的な食費の節約方法は、家族のいる暮らしでは有効でも、一人暮らしにそのまま当てはめると、あまり効果を実感できないものもあります。

そこでこの記事では、一人分の事情に合わせた無理なく続けられる食費節約のコツを、自炊する日・しない日それぞれ紹介します。

まず知っておきたい食費節約の5つの基本

食費の節約と聞くと、特売日を追いかけたり、複数のスーパーを回って一番安い店を探したりといった方法をイメージする方も少なくないでしょう。献立をきっちり立てたり、細かく予算を管理したりといった方法を思い浮かべる方もいるかもしれません。

それらを楽しんで実行できるなら話は別ですが、多くの場合、忙しい毎日のなかで続けるのは現実的ではないでしょう。

ここでは、頑張らなくても自然に支出が落ち着く、5つの考え方を紹介します。

完璧な献立より続けやすさを優先する

食費を抑える手段として、自炊を増やすことは有効な選択肢の一つです。ただ、自炊を始めるとなると「主菜・副菜・汁物を揃えて、栄養もバランスよく」と考えてしまい、ハードルを自分で上げてしまうこともあります。

その結果、途中で疲れて外食やデリバリーの頻度が増えてしまっては、元も子もありません。


大切なのは、自炊のハードルを下げて続けられる形にしておくことです。手間をかけた日と抜いた日があるくらいの方が、結果的に長く自炊を続けられます。

栄養バランスも合わせて考える

続けやすさや食費を削ることだけに集中すると、気づかないうちに体に影響がでてしまう可能性があります。たとえば安いパンやインスタント食品ばかりに偏ると、数年後の医療費や通院の手間として返ってくることもあり得ます。

「健康維持は最大の節約」と捉え直し、極端な食費削減は避けましょう。

特に40代以降は、若い頃と同じ食生活では疲れが取れにくくなったり、体調を崩しやすくなったりといったことを、実感している方もいるかもしれません。手間や出費を減らすことだけでなく、栄養バランスも意識することが必要です。

月の食費予算をざっくりと決める

食費を見直すうえで、最初にやっておきたいのが「1ヶ月でこのくらいまで」という総額の枠を決めることです。予算を組む前に、外食費を食費に含めるか別費目にするかも決めておくと、後から迷わずに済みます。

予算の枠が決まったら、1週間ごとなど区切りをつけて使った金額を振り返ります。

たとえば月初の1週間で予算の3割ほど使っているようなら、ペースが少し早いかもしれません。月末に慌てないためにも、細かい金額まで正確には追わないにしても、定期的に振り返り、その後の期間の調整に役立てましょう。

買い物は週1〜2回にまとめる

スーパーに行く回数が多いほど、予定外の「ついで買い」が増えていきます。新商品のスイーツ、目に入った特売品、レジ横のお菓子。一回数百円でも、積み重なると無視できない金額になります。

買い物の頻度を週1〜2回に絞ると、誘惑に触れる機会そのものが減らせるうえ、冷蔵庫の中身も把握しやすくなり、「買ったのに忘れていた食材」を腐らせる失敗も少なくなるでしょう。

ストック食材を決めておく

「家に帰ってから何を食べるか考える」状態は、思った以上に判断力を消耗します。あらかじめ「これは常に家にあるもの」を決めておくと、買い物時の判断が減るだけでなく、帰りが遅くなった日や作る気力がない日にも「家にあるあれを食べれば大丈夫」という安心感が生まれます。

たとえば、インスタントのスープや冷凍うどんなど、作る気力がなくてもすぐに食べられるものを2〜3種類選んで、ストックしておきます。常備するものが決まっていれば、買い物のたびに迷うこともなく、外食やコンビニに頼る回数も自然と減っていきます。

決済手段と買い物先を絞る

決済を1枚のクレジットカードや決済サービスに絞ると、利用明細を見るだけで月の食費の総額が分かります。複数の支払い方法を使い分けると、現金の出費を別途記録する手間も発生し、月にいくら使ったかの把握だけで負担が増えます。明細が一箇所にまとまっていれば、家計の振り返りも短時間で済みます。

買い物先も普段使う1〜2軒に絞ると、商品の通常価格や特売の曜日が頭に入りやすくなります。価格の感覚があると、目に入った商品が本当に安いのかを判断しやすくなり、特売に惹かれて不要なものを買う場面も減らせます。決済と買い物先の両方を絞ることで、買い物のたびにかかる判断の手間が軽くなります。

一人暮らしの食費平均額と目安

食費の見直しを始めるとき、目安として一般的な水準を把握しておくと、自分の支出が大きくずれていないかを確認しやすくなります。

ここでは公的なデータをもとに、参考値を紹介します。

40〜50代単身女性の平均的な食費データ

総務省の家計調査によると、単身世帯の女性(35〜59歳)の食料費は、月4万円前後で推移しています。

なお、この数字は自炊・中食・外食のいずれもまとめて含めた金額です。ライフスタイルによって内訳は大きく変わるため、平均値はあくまで目安として捉えるのが現実的です。

出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)/家計調査 家計収支編 単身世帯用途分類

食費は手取りの何割が目安?

家計の指標として「食費は手取りの15%前後」という一般論があります。手取り20万円なら3万円、25万円なら3万7千円ほど、という計算です。

ただし、この割合は目安であって、地域の物価、職場の状況、健康上の事情によって、適正な食費は変わります。

たとえば住居費や固定費が低めに抑えられているなら、食費の割合が15%を少し超えていても、家計全体としては無理のない範囲に収まることもあります。一方、手取りに対する食費の割合が高めで家計が圧迫されているなら、見直しの優先度が上がるサインとなるでしょう。

自炊する日の手間を減らす4つのコツ

外食や中食には、調理の手間がかからない代わりに、人件費や容器代が価格に含まれます。そのため、同じ食材を自分で調理すれば、材料費だけで済む分、自炊は食費を抑える方向に働きやすい選択肢のひとつです。

ただし、自炊の頻度が下がれば効果も出にくくなります。ここでは、調理の負担を下げて自炊を続けやすくする工夫を4つ紹介します。

週末に下ごしらえだけ済ませる

凝った作り置きを何品も用意しなくても、週末に30分ほどの時間で野菜の下処理だけ済ませておくと、平日の調理の負担を下げられます。たとえば、野菜を切って保存袋に入れる、きのこをほぐして冷凍する、肉に下味をつけて冷凍する、といった作業です。

下処理が済んでいれば、帰宅後フライパンに向かうとき、「切る」工程をすでに済ませた状態から始められるため、平日の自炊にとりかかりやすくなります。

冷凍食材や「かさまし食材」を活用する

豆腐やもやし、きのこ、卵といった食材は、価格が手頃なうえに料理のボリュームを増やしてくれます。主役の食材を増やすのではなく、安価な脇役を一つ足す発想に切り替えるだけで、買い物全体の金額を抑えながら満足度も保てるでしょう。

また、冷凍野菜のミックスや冷凍うどんを買い置きしておくと、買い物に行けなかった日でも一食を組み立てやすくなり、コンビニごはんなどに手を伸ばす回数を減らすことにつながります。冷凍庫に頼れる食材があるだけで、その日の体力に合わせて食事の選択肢を広げられるでしょう。

使い切れない食材は保存して持ち越す

生鮮食品は日持ちの面から、買った日や翌日のうちに使い切ろうと考えることもあります。一方で、その日の体調や予定次第では、無理に献立を組み立てる方向に進んでしまい、自炊そのものが負担になる場合もあります。

使い切れなかった野菜は翌日に回したり、刻んで冷凍したりすれば、数日先まで使える状態で保存できます。1食で完璧に消費しなくても、保存方法を工夫すれば食材ロスは抑えられるため、その日の体力に合わせて柔軟に対応するのもひとつの方法です。

余り野菜で作れる定番レシピを決めておく

冷蔵庫に半端な野菜が残ったとき、「これで何を作ろう」と考えること自体が、疲れているときには負担になります。そこで、あらかじめ「困ったらこれ」というレシピを2〜3個決めておくと、献立を考える時間を短縮できます。

たとえば味噌汁、野菜炒め、具だくさんスープは、残り野菜を幅広く受け入れてくれるメニューです。週に1回「冷蔵庫一掃の日」を決めておけば、食材を使い切れずに捨てる場面も減らせます。

自炊しない日の食費節約のコツ

自炊しない日は、中食や外食、調理ゼロで食べられる食材など、複数の選択肢があります。それぞれに支出を抑える工夫があるため、ここでは代表的な方法を紹介します。

  • 惣菜・冷食はスーパーで揃える:同じような商品でもコンビニより安く、種類も豊富。主菜だけ買って、ごはんと味噌汁は家で用意する使い方も便利
  • 疲れた日用の「軽め食材」をストックする:遅く帰った夜でも軽く食べられる、豆腐やインスタントスープを常備しておくと、外食やデリバリーに頼る回数を減らしやすい
  • 調理ゼロで食べられる食材を常備する:納豆、卵、ツナ缶、サバ缶など、ごはんやパンと組み合わせるだけで一食として成立する食材を揃えておくと、調理する気力がない日でも対応しやすい
  • マイボトルで飲料代の負担を減らす:外出時の飲み物を毎回購入すると月単位ではまとまった金額になるため、ボトルを一つ用意するだけで少額の積み重なりを抑えられる

これらに共通するのは、疲れているときや時間がないときでも判断に迷わないように、選択肢をあらかじめ用意しておくという考え方です。

なかでも「調理ゼロで食べられる食材を常備」は万が一に備えた食材の備蓄も兼ねることで、それぞれ別々に準備する手間や費用が抑えられます。

食費の見直しで気をつけたいこと

食費の節約は、やりすぎると「安物買いの銭失い」になったり、自分を惨めな気持ちにさせたりすることがあります。長く続けるために、避けたい落とし穴を3つお伝えします。

安さだけで食材を選ばない

価格だけを基準に食材を選ぶと、味や好み、栄養面が判断から抜け落ちます。安さに惹かれて買ったものの、口に合わずに残してしまったり、栄養面の偏りから体調を崩したりすれば、節約の効果も薄れます。

食材を選ぶときは、価格に加えて、自分が美味しく食べきれるか、栄養面の偏りはないか、といった点も判断材料に入れておくと、結果的に満足度の高い買い物になるでしょう。たとえば特売の食材を選ぶ場合でも、自分が好きなものや使い慣れたものを優先するほうが、最後まで使い切れる確率が上がります。

食材は使い切れる量だけ買う

特売やまとめ買いは一見お得に見えますが、使い切れずに腐らせてしまえば、単価あたりではかえって割高になります。一人分の生活では、家族向けの大容量パックは持て余しやすく、特に生鮮食品は注意が必要です。

少し割高でも、使い切れるサイズを選ぶほうが結果的にお得になりやすいケースも多くあります。冷凍保存できるものは別ですが、生鮮食品は欲張らずに買う量を絞ったほうが結果的に支出を抑えられるでしょう。

「我慢」より「続けやすさ」で選ぶ

外食を完全に断つ、お菓子を一切買わない、といった節約は、好きなものを意識的に避ける方法のため、続けるほどストレスが溜まりやすくなります。短期的には支出が減っても、ストレスを我慢しきれずに反動で大きな出費に転じれば、節約の効果が打ち消されてしまうこともあります。

一方、買い物の頻度や決済手段の整理など、買い方そのものを変える方法は、好きなものを我慢する必要がありません。選択肢が減ることで判断の負担も下がり、続けるための意識的な努力も必要としないため、結果的に習慣として身につきやすいでしょう。

一人暮らしは自炊しないほうが安い?

一人暮らしの食費については、以前から「むしろ買って食べたほうが安い」という説が語られてきました。一人分の自炊は食材を使い切りにくく、調味料や光熱費も含めると、格安チェーンの定食やスーパーの惣菜のほうが結果的に安く済む、という考え方です。

ただし、近年の物価高騰により外食や中食の値上げも続いており、自炊と中食・外食のどちらが安いかは、以前ほど単純には言えなくなってきました。

「料理をするかしないか」はコストだけで決まるものでもなく、料理にかける時間を仕事や趣味、休息に充てたいという方もいます。自分の生活リズムや優先順位に合わせて、無理なく続けられる形を選ぶのが現実的です。

なお、自炊をしない方針で食費を整えていきたい方向けの工夫は、下記の記事にまとめています。

まとめ|食費節約は「続けられる方法」が一番

一人暮らしの食費を抑えるうえで大切なのは、続けられる仕組みを整えることです。買い物の回数を週1〜2回に絞ったり、決済手段を1つにまとめて月の総額を把握しやすくしたりするのは、特別な技術や強い意志を必要としない工夫です。また、自炊する日と自炊しない日のそれぞれで、判断の負担を下げる選択肢を用意しておくと、その日の体力に合わせて無理なく続けられるでしょう。

仕組みを整えることは、節約そのものではないものの、節約を続けるための土台になります。今日からでも始められそうなものを一つ選んで取り入れてみることで、自分にとって無理のない節約を始めてみましょう。