電気・ガス料金の値上がりに伴い、毎月の光熱費に目が向く機会が増えたという方は少なくないでしょう。しかし、光熱費を抑えたいと思っても、節約のために細かいルールを増やしすぎると、確認事項が多くなって手が止まりがちです。
この記事では、電気・ガス・水道の3つに分けて、取り入れやすい節約方法を紹介します。
一人暮らしの光熱費の平均額
平均額はあくまで目安ですが、自分の支出が多いのか少ないのか、見直す余地がありそうかを判断する材料になります。
総務省統計局による、世帯人員別の月平均は以下の通りです。
| 世帯人員 | 電気代 | ガス代 | 水道代 | 光熱費合計 |
| 単身 | 7,337円 | 2,999円 | 2,136円 | 13,333円 |
| 2人以上 | 13,218円 | 4,882円 | 5,067円 | 24,544円 |
※光熱費合計には、灯油なども含むため、電気代・ガス代・水道代の合計とは一致しません。
出典元:家計調査 家計収支編 単身世帯用途分類 001 用途分類(総数) 全国
家計調査 家計収支編 二人以上の世帯用途分類 001 用途分類(総数)
光熱費は、地域・季節・住居などの条件によって変わります。地域差によって冷暖房の必要頻度が異なりますし、ガスの種類が都市ガスかプロパンガスか、オール電化かどうかなどが影響します。
そのため、この平均は、あくまで目安として考えておきましょう。
電気代の節約で効果が期待できる方法
光熱費の中で電気代の比率は最も大きく、単身世帯でも光熱費全体の半分以上を占めています。無駄な使い方をしていない限り大幅なコストダウンは難しいかもしれませんが、占める割合が大きいからこそ、見直す価値のある項目です。
ここでは、まず検討をおすすめしたい3つの節約方法を紹介します。
エアコンの使い方を見直す
エアコンは消費電力が大きく、設定温度や運転モードの工夫が電気代に反映されやすい家電です。適切な温度設定とこまめな掃除が節約のカギです。
設定温度の目安は、夏は28℃前後、冬は20℃前後。設定温度を1℃変えるだけでも、年間で1,000円近く電気代が変わると言われています。また、サーキュレーターや扇風機との併用で空気を循環させると、設定温度を控えめにしても室温を体感しやすくなります。
フィルターは、2週間に1度程度を目安に掃除しましょう。目詰まりを放置すると、運転に余分な電力がかかります。
ただし、「節約のため」と言って使用を我慢するのは止めましょう。体調を崩してしまっては、もともこもありません。
冷蔵庫の使い方を見直す
冷蔵庫は、開閉の回数を減らしたり、開けている時間を短くしたりといった工夫を意識している方も少なくありませんが、それ以上に影響の大きい要素が下記の3つです。
- 庫内の設定温度
- 物の詰め込みかた
- 壁との間隔
資源エネルギー庁の省エネポータルサイトによると、周囲温度22℃の環境で設定を「強」から「中」に変えた場合、年間で約1,910円の電気代節約になると試算されています。ただし、食品の傷みには注意が必要なため、夏場と冬場で設定を調整しましょう。
次に見直すべきは、庫内への物の詰め込みかたです。庫内に食品を詰め込んだ場合と半分ほどにした場合で比較すると、年間で約1,360円の電気代差が出ると試算されています。半分で保つのは難しいとしても、冷気がまわりやすいよう、ある程度の余白は確保するよう意識すると良いでしょう。
さらに、キッチンの構造上もし可能であれば、壁から離しての設置を検討してみてください。冷蔵庫の両側が壁に接している場合と片側が壁に接している場合を比べると、年間で約1,400円の電気代差になると試算されています。
まずは現在の冷蔵庫の状況をチェックするところから、はじめてみましょう。
電力会社の料金プランを見直す
毎日の使い方を変えなくても効果が続く方法として、契約プランの見直しがあります。
電力会社や料金プランは、2016年の小売全面自由化以降、選択肢が大幅に増えました。日中に在宅時間が長いか、夜間に集中するかなど、生活時間帯によって向いているプランは変わるため、比較サイトを活用してチェックしてみましょう。
電力会社によっては料金単価が市場価格に連動するプランもあり、市場の高騰時に電気代が大きく上がる可能性もあります。想定外の請求を受けないためにも、料金体系は契約前にしっかりと確認しておきましょう。
ガス代の節約で続けやすい方法
ガス代は、契約先やプランを変更したり、電気の契約先とまとめたりすることで基本的な料金の見直しが可能です。しかし、賃貸物件の場合は、契約先が指定されていて変更できないケースも少なくありません。
そこでここでは、契約等の変更を伴わない、日常的に取り組みやすい方法を2つ紹介します。
お風呂の入り方を工夫する
お風呂で使うガスは、浴槽にお湯をためる場合とシャワーの場合で発生の仕方が変わります。
シャワーは、出している時間がそのままガスと水の使用量に直結する項目です。資源エネルギー庁の試算では、シャワーを流す時間を1日1分短縮することで、年間でガス代約2,070円・水道代約1,140円の節約になるとされています。実際の節約額はガスの種類や契約料金によって変わりますが、なるべく出しっぱなしを控えるだけでも、意識して続けることで節約につながるでしょう。
浴槽にお湯をためる場合は、追い焚きを繰り返すとガス代がかさむため、風呂ふたや保温シートを活用するなど、お湯の温度低下を抑える工夫をしましょう。
シャワーの時間が短い場合は、浴槽にお湯を張るよりシャワーのみのほうがガス使用量が少なくなる可能性もあります。しかし、お湯に浸かることは疲労回復やリラックス効果を期待できる側面もあるため、バランスをみて調整しましょう。
給湯の温度設定を下げる
給湯器の設定温度を1〜2℃下げるだけでも、ガスの消費量に差が出ます。資源エネルギー庁の試算では、食器を手洗いする際、給湯器の設定温度を40℃から38℃に下げると、年間で約1,430円※のガス代節約になるとされています。
そのため、季節によって設定温度を変更したり、油汚れの少ないものだけのときは給湯温度を下げたりといった調整を行うことで、ガス代の節約につなげられます。
※1日2回・1回あたり65Lの水道水を使い、冷房期間を除く253日間使用した場合
出典:資源エネルギー庁 省エネポータルサイト 家庭向け省エネ関連情報
水道代の節約で取り入れやすい方法
水道代は極端な節約をしなくても、流しっぱなしを止める・まとめて使うといった工夫で効果が出やすい部分です。ここでは、節約の手始めに取り組みやすい方法を紹介します。
お風呂の残り湯を活用する
入浴後の残り湯を別の用途に回すと、水道使用量を抑えられます。代表的な活用先は、洗濯と掃除です。
洗濯では、洗いの工程で残り湯を使い、すすぎは水道水に切り替える方法が一般的です。すすぎまで残り湯を使うと、雑菌や皮脂の付着が気になるため、避けたほうが良いでしょう。
掃除では、お風呂場の床や、玄関のたたきの拭き掃除などに使えます。
ただし、入浴剤を使用した場合の二次利用はおすすめしません。
トイレの水量を使い分ける
トイレは、1日に何度も使う設備のため、1回あたりの水量が小さく見えても、積み上がる量は多くなります。流す際に、レバーを意識的に使い分けるだけでも、毎月の使用量に差が出てくるでしょう。
もし、20年以上前のトイレを使っている場合は、節水型への交換で大きく水量が下がる可能性もあります。ただしこれは、持ち家であれば検討できる選択肢です。
洗濯はまとめて行う
洗濯機は、使うたびに一定量の水を使うため、回す回数を減らすほど節水になります。
省エネポータルサイトによると、洗濯機の容量の4割で洗う場合と、容量の8割で洗濯回数を半分にする場合とでは、年間で約4,510円の節約になると試算されています。
ただし、容量を超えて詰め込みすぎると、洗濯物が動くスペースがなくなり汚れが落ちにくくなるため、容量の8割を目安に、詰め込みすぎないバランスを意識しましょう。
洗い桶を活用する
食器を洗う際は、洗い桶に水をはって食器をためておくと、汚れが乾燥して落ちにくくなるのを防げます。また、桶をきれいにした洗った食器を入れた状態ですすぎを行えば、流水のみですすぐよりも、使う水の量を抑えられます。
なお、最近は1人用の小型食洗機もあり、機種によっては手洗いより節水になるケースもあります。設置スペースや初期費用との兼ね合いにはなりますが、選択肢のひとつとして検討してみても良いでしょう。
続けづらい節約方法
節約のつもりで取り組んでも、続けづらい方法もあります。
たとえば、夏にエアコンをつけずに過ごすなど、快適さや体調と引き換えにする方法は、続けることが難しく、反動で別の支出が増える可能性も考えられます。
エアコンを10時間稼働した場合にかかる約300円をケチったばかりに、熱中症で病院へ搬送され、1日2.5万円以上の入院費用がかかった……という話も。
節約のために体調を崩してしまっては、元も子もありません。働くことや日常生活に支障がでる可能性もあり、本末転倒となるため、自分の健康が犠牲となるような節約は行わないよう注意しましょう。
また、節約グッズの購入も、注意が必要です。購入前に、本当に必要かをよく見極め、口コミなどもチェックしましょう。いくら節約になっても、使うのが面倒なグッズはいつのまにか活用しなくなるケースが多いです。
どの節約方法を取り入れるか検討する際は、「続けられるか」「自分の暮らしに合っているか」という視点で選ぶことをおすすめします。
まとめ
光熱費は契約先やプランの見直しなどでの節約が可能です。また、家電を買い替えるタイミングで、より消費電力等の少ない省エネ家電を選ぶといった方法もあります。
しかし、賃貸などで契約先の変更が難しかったり、現在使っている家電がまだ現役のうちは、日常で積み重ねられる方法での節約がおすすめです。
ただし、自分の健康が犠牲になるような節約は、かえって高くつく可能性があるため、避けましょう。
一度にさまざまなことに気をつけながら生活するのは大変です。はじめから張り切りすぎると続かなくなってしまうことも多いため、自分にとって取り組みやすい方法を選び、習慣として定着させていきましょう。