スマホのプランも、自宅のネット回線も、年々選択肢が増えています。選択肢が増えすぎて、どこから見直せば通信費の節約になるのかわからない、という人も少なくないでしょう。
この記事では、単身世帯の通信費の平均額、見直しの前に確認しておきたいポイントなど、通信費を見直す際の初歩的なポイントを紹介します。
通信費の平均と内訳の目安
通信費は毎月かかる項目ですが、自分が月にいくら払っているかを正確に把握している方は多くないかもしれません。
ここでは、単身世帯の通信費の月額平均と、通信費が高くなりやすい主な原因を順番に確認します。
単身世帯の通信費の平均額
総務省統計局の家計調査(2024年・単身世帯)によると、単身世帯の「通信」費の月額平均は6,379円です。
この「通信」には、スマホの通信料・自宅のインターネット接続料・固定電話通信料・通信機器代に加えて、郵便料や運送料(宅配便など)も含まれています。そのため、いわゆる「スマホ代+ネット回線代」だけの金額ではありません。
実際にかかる費用は契約内容や使い方によって変わるため、ひとつの目安程度に捉えておきましょう。
出典:総務省統計局「家計調査 家計収支編 単身世帯」(2024年)
通信費が高くなる主な原因
通信費が高くなる原因は、契約内容にあることが多いです。代表的な要因としては、次の4つが挙げられます。
- 大手キャリアの料金プランをそのまま継続している
- 使っていないオプションが残っている
- スマホとネット回線を別々の会社で契約している
- データ容量と実際の使用量がずれている
4つ目の「データ容量と実際の使用量がずれている」というのは、大容量プランを契約しているのに、実際には月数GBしか使っていないケースを指します。
もし思い当たる項目があるなら、通信費を今より抑えることができるかもしれません。
見直し前に確認したい3つのこと
通信プランをいきなり変更する前に、今の契約内容をひと通り確認しておくと、見直しの判断がしやすくなります。
ここでは、見直し前に確認しておきたい3つのポイントを順番に確認します。
月のデータ使用量を把握する
最初に確認したいのが、自分が月に何GB使っているかという実数です。
各キャリアのマイページや公式アプリを開くと、当月と過去数ヶ月のデータ使用量が表示されます。直近3ヶ月分を見ると、自分の使い方の幅(少ない月と多い月の差)が分かります。
たとえば契約は20GBでも、実際の使用量が毎月3〜5GBなら、容量と使用量に大きなギャップがあります。このギャップが、プラン見直しのヒントになります。自宅や職場のWi-Fiを使う時間が長い場合は、少ない容量で足りる可能性があります。
端末の分割払いの残りと解約金の有無を確認する
プラン変更や乗り換えを検討する際、スマホ端末の分割払いが残っているかどうかや解約金の有無は必ず把握しておきましょう。
仮に端末の支払いが残っている場合、一括で清算するのか分割で支払い続けるのかは、契約先によって扱いが異なります。端末購入サポートのような割引が適用されている場合は、契約変更によって割引がなくなるケースもあるため、よく確認しましょう。
解約金については、2022年7月の法改正以降、大手キャリアの携帯電話プランでは解約金が廃止されています。ただし、自宅の光回線や、有料オプションの一部、格安SIMの一部プランでは、解約金が残っているケースもあるため、影響がないか確認が必要です。
今のオプションが必要か見直す
契約内容の見直しを検討する前に、現在加入中のオプションの棚卸しもしてみましょう。
契約時に付けたまま、使っていないオプションが残っている場合があります。見落とされやすいのは次のようなものです。
- 留守番電話やキャッチホン(割込通話)
- 端末補償・故障サポート
- セキュリティ関連のオプション
- 動画・音楽サブスクの抱き合わせ
オプションの解約は、店舗に行かなくてもマイページやアプリから手続きできる場合があります。1つあたりは数百円でも、複数組み合わさると月1,000〜2,000円になることがあるため、本当にすべて必要か一度見直してみましょう。
スマホ代を下げる3つの方法
スマホ代は、通信費の中で見直しの効果が出やすい項目です。
ここでは、契約手続きの大きさが小さい順に、3つの方法を紹介します。
データ容量を使用量に合わせる
最初に手をつけやすいのが、同じキャリア内でのプラン変更です。
大容量プランを契約しているものの、月の使用量があまり多くない場合、データ容量の少ないプランに変更するだけで月額が下がります。
下げ幅はキャリアやプランによって変わりますが、同じキャリア内でのプラン変更は、電話番号もそのまま、手続きもマイページから完結するため、最初の一歩としては手間が少ない選択肢です。
格安SIM・サブブランドへ切り替える
スマホ代を大幅に下げたい場合は、格安SIMや大手キャリアのサブブランドへの切り替えも選択肢として検討してみましょう。
サブブランドとは、大手キャリアが運営する低価格ブランドのこと。ahamo(ドコモ)、povo(au)、LINEMO(ソフトバンク)などがこれにあたります。
以前は 大手キャリア>サブブランド>格安SIM の順に料金が安くなっていましたが、現在はデータ容量などに応じて、サブブランドでも格安SIMより低価格なプランを提供しているケースもあります。
ただし、時間帯に通信速度が落ちたり、通信エリアが限られていたりするケースもあるため、価格外の面も含めて検討しましょう。
端末をコスパ重視で選ぶ
スマホの本体を購入する際、一括購入であれば月々の支払いに影響はありませんが、分割購入の場合は通信プランに加えて本体代の支払いも毎月必要になります。
月々の支払い額はスマホ本体の価格や分割回数にもよりますが、毎月3,000〜8,000円の支払いが上乗せされることも珍しくありません。
そのため、本体代を抑えることは、月々の支払いを減らすことにもつながります。具体的な方法としては、新品より1~2世代前のモデルや価格を抑えた中位モデルを選んだり、中古品の購入を検討するなどの方法があります。
ネット回線代を下げる2つの方法
自宅のネット回線も、見直しで月額が下がりやすい項目です。
ここでは、今の固定回線を活かす方法と、回線そのものを変える方法の2つを紹介します。
スマホとセット割が使える回線を選ぶ
自宅のネット回線とスマホを同じ系列でまとめると、セット割で月額が下がる仕組みがあります。
代表的な組み合わせは、ドコモ光×ドコモのスマホ、ソフトバンク光×ソフトバンクのスマホ、楽天ひかり×楽天モバイルなどです。
今すでに同じ系列で契約しているのに、セット割の申し込みだけしていない、というケースもあるため、契約内容を一度確認してみましょう。
モバイル回線への切り替えを検討する
固定回線そのものを、モバイル回線(ホームルーター・ポケットWi-Fi)に置き換える選択肢もあります。
ホームルーターは、自宅のコンセントに挿すだけで使えるWi-Fi機器で、工事が不要です。ポケットWi-Fiは持ち運びができるタイプで、自宅でも外出先でも使えます。どちらも初期費用が低く、契約からの立ち上がりが早いというメリットがあります。
一方で、光回線と比べると通信速度が安定しにくいことや、月のデータ容量に上限が設定されているプランがある点は、注意したいところです。在宅で動画を長時間視聴する、大容量のデータを頻繁にやり取りする、といった使い方の場合、光回線のほうが向いている場面もあります。
自分の使い方に合うかは、在宅時間の長さ・月のデータ使用量・動画視聴の頻度から判断できます。在宅時間が短かかったり、データ使用量が少なかったりする場合は、モバイル回線で十分カバーできる範囲に収まるかもしれません。
ポケットWi-Fiを自宅と外で兼用した実例
私自身、ポケットWi-Fiを自宅と外出先の両方で使うことで、通信費を節約していたことがあります。
当時、スマホはデータ容量が一番少ないプランで契約し、主にポケットWi-Fiと接続して使用していました。端末を2つ持って歩くことが少しだけ不便だったものの、スマホで大容量プランを契約するよりもポケットWi-Fiの月額利用料は安く、さらに自宅にインターネット回線を引く、という手間と費用も省けました。その結果、トータルの通信費が抑えられていたという実感があります。
ただし、この組み合わせが向いていたのは、オンラインゲームなど回線に負荷のかかる使用を私が必要としていなかったからでもあります。
現在は在宅での仕事が増え、オンラインでのミーティングも多いため安定した通信環境を整えたいと思い、光回線に切り替えました。
通信費の見直しで気をつけたいこと
通信費は、一度見直せば効果が続く項目です。だからこそ、変える前の判断は落ち着いて行いたいところ。
ここでは、見直しを進めるときに気をつけたいポイントを2つ紹介します。
プランは年に一度ゆるくチェックする
通信プランは、新しいプランや料金改定が頻繁に出てきますが、そのすべてに反応していると、見直すこと自体が負担になります。
年に1回など節目のタイミングで、自分のキャリアに新しいプランが出ていないかを確認する程度の距離感がおすすめです。
チェックのタイミングは、自分で決めておくと続けやすくなります。たとえば年度替わりや、自分の誕生月など、自分でタイミングを設定し、定期的な見直しを実行しましょう。
「見直す」=「プランを変更する」ことではありません。確認した結果、今のままでよければ何も変更する必要はないです。
プラン変更は損しないかを見極める
もう一つは、キャンペーン情報を見て焦って動かないことです。
焦りを引き起こしやすいのは、次のような場面です。
- キャンペーンの「実質◯円」「最大◯万円キャッシュバック」表示
- 周囲の人の「乗り換えたら半額になった」という話
- SNSやメルマガで届く期間限定オファー
このような情報を目にしたときに確認しておきたいチェックポイントは、次の通りです。
- スマホ端末の分割払いが残っていないか
- 乗り換え先の月額が、本当に今より下がるか(初期割引が切れた後の金額も確認)
なお、光回線や一部のオプションを乗り換える場合は、解約金が設定されているケースもあります。月々の節約見込み額と解約金を比較して、節約額のほうが上回るかを確認すると判断しやすくなります。
これらを確認したうえで、自分のペースで判断しましょう。
まとめ
通信費は、毎月発生するからこそ、契約内容の見直しが節約につながりやすい支出です。まずは「新しいプランに乗り換える」よりも、「今の契約に無駄がないか確認する」ことから始めてみましょう。
たとえば、月のデータ使用量と契約容量のギャップを見たり、加入中のオプションを棚卸ししたりするだけでも、見直しのヒントが見えてきます。
また、スマホとネット回線を同じ系列でまとめてセット割を適用したり、固定回線をモバイル回線で兼用したりと、契約の組み合わせ方によっても月額は変わります。
すべてを一度に変えようとするのではなく、自分の使い方に近いところから始めることで、生活スタイルに合った見直し方を見つけていきましょう。